ありがとうございましたー

荒んだ夜が一つもなかったことにお礼を言って、寂しい気持ちが出てこないうちに握手で別れて。最後は笑顔だった。

明日バイトに行かない時に寂しさを実感するんだろうか。今ある淡い喪失感の予感は僕のどれだけのものを占めていたのだろうか。受験費と割りきって始めたバイトだけど、出会いと言葉は一つを除いて全て本物で、殆ど素のままだった。

春には一つの喋らない嘘の結果を大げさに語って、彼らの酔いどれの決意の一つを聞き出そう。そうして今度こそ本当のお別れを迎えよう。

明日はそんな気持ちを肴に噛み締めて飲もう。ボヘミアングラスが綺麗だからラフロイグを開けよう。久しぶりに少しすっきり酔えるかもしれない。