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俺は俺だ。
一人
逃げ出したかったんだ、ずっと。一人の不安に怯えて何も出来なくなっていたんだ。そんな自分が怖くて、ここじゃないどこかに行けば怖くなくなるんじゃないかと思ってた。それに勝手に希望を委ねちゃってたんだ。今が悪いって思い込んでたんだ。思い描いてた自分に今の自分を譲り渡してしまっていたんだ。
でも違ってた。それは幻想に生きているだけだった。そんなもので今の自分を諦め妥協してただけなんだ。
一人の孤独に向き合うのならそれは何もかも間違いだと気付く。僕は孤独でも孤高でもない、ただ一人なんだ。一人きりなんだ。どんな関係性もそれを否定出来ない。肯定し、互いの一人きりを分かち合う。
一人に怖くて怯えて、逃げ出したくなる自分を受け入れれば、希望を託してしまう夢や理想が見当たらないのだとしたら、全ての希望は自分の中に留めていよう。絶えず希望を抱き続けているんだ。その先を求めて一人、信じるまま進むんだ。
過去
そうだ、今、ようやく受け入れられたんだ。
ようやく始まるんだ。
跳べ
跳べ! 向かい風に乗って
「どうせ出来やしない」と植え付けた自己暗示を引っこ抜いて
呪縛を解け!
跳べ! イメージの羽 ばたつかせて
失敗を前提にした言い逃れを引っこ抜いて
呪縛を解け!
思い立った瞬間 そこは滑走路 跳べ 跳べ
そうだ ここが出発点 そうだここが滑走路
羽を開き 呪縛を解き
跳べ!
不安
夜のニュースで、駒場の正門に並んでいる自分が写っていて、居合わせた家族が気づいてしまうかもしれない。
どうしようもない。
ありえない話でもない。赤門じゃないだけまし。
こんな心配をして全くどうしようもない。
こんなに何もかもが気がかりで情けなくて。
不安な気持ちを書き記して慰みを期待してる自分を情けなくを感じる時。客観的で楽観的で賢しいものを信じようと言い訳を用意している時。
そんな臆病な時こそ強くありたいと思う。そう願うこと。ずっと嫌だと思って足掻いてたんじゃない。ただそうあろうと決めた。少しづつを受け止めてきた。振り返って今は醍醐味を感じるところなんだろうか。不安と孤独の中、間違いなく感じるものがある。とてもこわい。
ただ春を待つ
年末の街のもの寂しい雰囲気は好き。飲んで温まって勢い飛び出して、人のいない街の空気に浸ると不思議と昂揚する。たぶん人の熱が平時と比べて少ない分、寒くてすぐに酔いが醒めるんだけどね。そしたらなんだか次は静かな酒でも飲もうかってことになってウイスキーとか開けたり。まだ盛り上がりそうな空気を感じながらみんな気取っていつも通りの調子で喋って、でもなんだか今、年を跨ぐ時くらいはいい子ぶってまともなことを言ってもいいんじゃないかってことは認めて。冗談めかした言葉からぽろぽろと気持ちが零れて、来年こそは!だなんて似合わない大風呂敷を広げて。盛り上がって飲んで気づけばもう日は昇りきってて。とりあえず初詣に行ってそのまま帰るよ。風邪引くなよ。次は来週な。
そんなまとも過ぎる年末はもうどうでもよくて。今は勉強がしたくて。今年の反省とかそんなのは受験が終わってからで。この熱を絶やさないことが何よりも大事で。明日から放っておいたセンター試験の勉強をまたやり始めること以外に気をやりたくはなくて。
他にやることと言えばさすがに掃除くらい。でも正月の雰囲気に呑まれて寂しくなったら電話くらいするかも。春にはもっと言いたいことがあるんだ。
お前、今年はどうしたの? ちょっとやることがあって。大変だね、そういえばあいつも帰って来てるよ。ちょっと代わってよ。あぁもしもし?久しぶりに帰ってきたのに、お前…。ごめん、向こうはどう? まあまあだよ。雪凄いらしいね。まだ普通くらい、それよりせっかく寒い中いい地酒買って帰ったのに…。ごめんって、春にはまた帰るだろ?その時奢るからさ。朝までな。いいよ、話すこともあるし。何かあった? まだない。なんだよそれ。まあ取り合えず春ね、向こうで頑張ってよ。お前も頑張れな。うん。 あぁ、そういえば明けましておめでとう。こちらこそ、今年もよろしく。