去年の僕はどんな感覚をしていたんだろう。決意も決断も無く、ただ気持ちに引きずられるままに、この気持ちに立ち向かうのでもなく、何か他の心あずけられるものを探していたんでもなかった、捕われたままの僕は。

音のない世界にあこがれて、そこでなら気持ちが変わってしまう前に見つけられるんじゃないかと思っていた。音のない世界でなら声がよく聞こえると思っていた。ただ雑踏を避けていた。

去年の感覚はもう手に戻らない。去年の感覚を受け入れることももう無理なのかもしれない。今、分かるのは、今は去年のどの日とも感覚が違うということ。少しの決意がもたらしたものか、積み重なって変わったものかはわからないが、日々近づいてくる未来に向けて動いているはずの今の感覚はたぶん良い状態だと思う。去年の文章の中にも違った思いが見えてくるかもしれないような。