立ち止まること

電気を消して暗い部屋を見つめているのがとても怖い。感覚がぶれて変な浮游感も出てくる。街の明かりの漏れる窓のほうに振り向きたくなる。それか、いつものように目を閉じて暗い自分の中で忘れた朝を待とうか。今ならまだ意識の繰り返しに入らずにすみそうだ。


目が慣れてくる。暗く狭い部屋にはなんの変わりもない。扇風機と時計の音だけ。雨が上がった匂いと衰えた自分の体があるだけ。いつも通り。昨日のまま。去年と違うはず。


窓の外を見ていい。眠ってしまってもいい。暗い部屋にいてもいい。今週はこうしていよう。