終極

今年一年、バイトの予定以外はすんなり予想できた。思ったより単調で孤独な毎日が待ってそう。てきとうに寂しさを紛らわしたり、打ちのめされたりしよう。

何より終りに向かって想像することが怖い。今でさえ怖じ気づきそう。これからたくさんの困難があってたくさん泣き言を言って、乗り越えたり。いろいろなことを同時進行で進めて、何かを諦める決断を迫られたり。体力をひたすら必要として夏の暑さに絶望しそうになったり。掲げた理想に気持ちがついていかなくなったり。そして親に土下座をすることを考えただけでも血の気が引きそうだ。

勉強して積み重ねるものは試験場で出す。そして、積み重ねた気持ちを両親に伝える。これまでの不義理を清算もできないで自分勝手な行動を認めて欲しい。認められる訳がない。認めて欲しい。出来る訳がない。最悪、根を断つ覚悟まで必要なのかもしれない。その時に僕が出来るのは気持ちを伝えることだけ。圧倒的な感謝をもって。

たくさんの困難に対する覚悟なんて出来てないし、出来ないから一つの覚悟を決めようと思う。

ひたすら気持ちと向き合う覚悟を。

今このままいけばそれなりに無難な進路に流れついていくだろう。両親や世間の一般常識に守られた中で。でもそれを捨て、今年を貫き通して来年、家を出て自分の決めた場所へ進むとき、ある意味では自分を超えるとき、そんなときにあるのは、思いだけじゃないか。一年間足掻き抜く情熱と言ってもいいし、未来に対する志と言ってもいい。自分の源。そして何より、両親に伝えたいもの。親からしてみれば突然の別離を告げられるときに、僕が示せるもの。打算的な予測を並べ立てるのではなく、生半可ではない思いをつたえたい。納得も理解もある訳がない話に僕が言うこと。親元を離れる決意も覚悟も具体的な予測や展望も示せないで別離を告げるとき、思いしかない。

積もり積もった気持ちが自分を超えていくと信じてるから、それが今の動機になる。